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◆今は廃寺である常光寺裏山の八十八ヶ所には、１番札所に「新四國八十八箇所送立安置／発起人　現住法印俊珍／世話人（省略）／安政五年戌午歳三月二十一日」と刻文がある。

◆「安政五年といえば俊珍上人はまだ三十才ですから、おそらく五年前に亡くなられた俊寂上人が生存中から八十八ヶ所の建立について段取りを、進められてきたのではないでしょうか。」
蓬莱由雄(1992):来住郷の行事について（下）,小野史談18号,p50

◆
新四國八十八箇所送立安置
発起人　現住法印　俊珍
世話人 中村 文五郎　仁左エ門　彌太夫
吉左エ門　滝蔵　八兵衛
ヤカタ　長左エ門　善兵衛　平蔵
　　　　 多良左エ門　八良平衛
上野　　市平衛　惣五郎　佐兵衛
竹谷　　藤兵衛　甚兵衛
ヤスバ　惣右エ門
上来住　清太夫　嘉左エ門
イワクラ　兵右衛門　三之助
アザメ　伊左エ門
石工人　棟梁 高室村　宇右エ門
　〃 儀兵衛
西ノ山村　七兵衛
　　安政五年戌午歳三月二十一日


[文献]蓬莱由雄(1992):来住郷の行事について（下）,小野史談18号,pp49-­59

◆「明治二二年営議三祭再寫之□／室生山八十八ヶ所建立施主姓名簿／来住村常光□／常□」
　「発起人　当寺住職大野俊隆／周旋方　拾九名／明治二十二年二月日」

◆昭和４６年の修理では、堂守（山本義明氏）が先導して建設委員などを設けて進められた。鐘突き堂が設立され、次のような文章が堂に刻まれている。「昭和４６年秋彼岸両来住有志の発心によりここ室生山常光寺準四国八十八ヶ所修復梵鐘復元を画す。地元はもとより遠近各地の御芳志を賜り同年十二月十二日完成供養に至る。誠に尊く有り難きことなり。世話人一同感激しここに芳名を録し永く世に傳えるものなり」

2024-02-22 作成