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大師山八十八ヶ所（嘉永五～七年（一八五二～一八五四）製作・奈良県宇陀市)は、地元の名士が発心して名石工の佐吉に依頼した。
「佐吉の承諾の返事を聞いて、彦八郎は精力的に近くの村々を訪れ、人々を説きふせて喜捨を集めだし」[ 金森敦子『旅の石工―丹波佐吉の生涯』（法政大学出版局、一九八八年）一三九頁。]、私財を投げうっての一大事業であったという。洪水や旱魃による不安な世相での事業であり、途中中断を含みながら三年余りでようやく完成している。

2024-09-24 作成