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愛媛大学 四国遍路・世界の巡礼研究センター

写真:白井大師練り歩き(白井市教育委員会提供)

ごあいさつ

 四国遍路は、四国一円に広がる弘法大師空海ゆかりの八十八箇所霊場を巡る全長1400㎞にも及ぶ壮大な円環型巡礼です。その原型は、1200年以上前に空海が行った厳しい修行に由来し、長い歴史のなかで変容と発展を遂げ、今もなお多くの人々を四国へ誘い、地域の人々もお接待で迎える、生きた四国の文化であります。

 近年の研究において、四国遍路の成立過程は、平安時代に登場する僧侶などの「辺地修行」をその原型とし、その延長線上に鎌倉・室町時代の「四国辺路」を捉え、八十八ヶ所の確立とともに庶民化した「四国遍路」の成立を見る、「辺地修行」から「四国遍路」へという二段階成立説が有力です。信仰が広がると、本霊場に見立てた写し霊場(新霊場)が各地に出現します。四国遍路より古い歴史を持つ西国三十三所巡礼では、鎌倉時代初期に現在の東京都、神奈川・埼玉・群馬・栃木・茨城・千葉県に及ぶ坂東三十三所が、室町時代までには秩父三十四所が開設され、日本百観音霊場として知られていました。四国霊場八十八ヶ所の写し霊場は、江戸時代中期に始まり、西国三十三所や親鸞聖人二十四拝などの写し霊場が全国展開するのも江戸時代のことです。これらの写し霊場は、数か国にわたるものから一島、一村、一山で完結するものなど多様です。

 四国霊場では、江戸時代に起源をもつ小豆島(香川県)、知多(愛知県)、篠栗(福岡県)が三大新四国霊場として知られますが、その数は膨大であって、各写し霊場はもとより全国を総括するような研究もありません。そこで、本ホームページでは、全国の皆さんの力をお借りして、その全貌を明らかにしようとするものです。新四国の起源や存在を明らかにすることは、本四国の歴史や特徴を明らかにし、世界遺産化のために必要な「普遍的価値の証明」にもつながると考えています。

 本ホームページ充実のための御協力をお願いするとともに、本ホームページ制作に御尽力いただいた巡礼遍路研究会写し霊場部会の皆様に感謝申し上げます。

 

愛媛大学 四国遍路・世界の巡礼研究センター長   胡 光

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